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バス174の悲劇!ブラジル・バスジャック事件の深い闇とは?

   

2000年にブラジルのリオデジャネイロで
起こったバスハイジャック事件。

一人の青年が起こしたこの事件は、
ブラジル社会を取り巻く様々な問題を
背景としていました。

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事件について

この事件はサンドロ・ド・ナシメント
という若者が強盗に失敗した挙句に
乗客を人質にバスジャックを起こした
というもの。

概要だけ見ると“ならず者”の起こした
ありがちな犯罪にしか見えませんね。

しかし、現地警察が現場の封鎖に失敗し、
マスコミや野次馬が殺到。

なんと事件がLIVEでテレビ中継される
という事態となります。

まぁマスコミならこんなおいしい
ネタは大喜びでしょうね。

するとその様子を見た犯人のサンドロは
カメラに向かって自らについて語り、
警察の批判を始めます。

そこから見えてきたのは青年の不幸な
人生と警察を含めたブラジル社会の
抱える病巣でした。

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犯人の素性

幼い頃のサンドロには父親はおらず、
母親もわずか6歳の頃に目の前で命を
奪われるという悲劇に見舞われます。

じつに不幸な身の上ですね。

その後、叔母の家に引き取られたものの
そこを飛び出したあとは家を持たない
いわゆる“ストリートチルドレン”
となったサンドロ。

叔母の家には留まれない
何かがあったのでしょうか。

当時、ブラジル国内は経済状況も悪く、
このようなストリートチルドレンが
数多く存在し、薬に手を染め、犯罪を
犯すことが日常茶飯事だったのだ
そうです。

貧困が孤児を生み、生きるために
犯罪を犯す。
経済状況も悪いため働き口もない、
そうして貧困から抜け出せない。

まさに負の連鎖ですね。

かたや犯罪を取り締まる警察組織も
安月給の激務ということで、仕事に
あぶれた者が行き着く最後の働き口
という位置付けとなっていました。

これでは当然、社会の悪を取り締まる
品行方正な人材は集まりませんよね。

事実、警察によって命を奪われた市民が
数百人単位に上り、また警察官が起こす
ような犯罪も日常茶飯事だったのだとか。

治安を保つための警察がこれでは
まさに救いようのない社会ですね。

そんな中でサンドロはカンデラリア教会
虐殺事件と呼ばれる事件に巻き込まれます。

この事件は皆が寝静まった深夜、忍び寄った
警察官が眠っている子供たちに向かって
銃を乱射。

7人が亡くなる惨事となりました。

この警官は昼間、子供たちに暴力を振るい、
逆に反撃を受けたことを逆恨みして、
犯行に及んだのだそうです。

日本にいては考えられない事件ですが、
当時のブラジルではごくありふれた事件
だったんでしょうね。

この事件の現場に
居合わせたサンドロ。

仲間たちが命を落とすのを
目の前で目撃したのでした。

母親の死も目の前で目撃し、
また仲間の死まで。

彼の心にどんな思いが刻まれたのか
想像を絶しますね。

事件の結末

拳銃を片手に乗客11人を
人質としたサンドロ。

警察に向かってライフルと
手榴弾を要求します。

そしてサンドロは交渉のために
女性を人質にバスを降りてきました。

そこで警察が選んだのは
サンドロの狙撃でした。

まぁ日本以外の国ならば生死を
問わず犯人を撃ちますからね。

しかし、銃弾はすべてハズレ。

悲劇だったのは人質の女性で、
サンドロと警察の銃弾によって
命を落とす結果となります。

もう警察としては大失態ですね。

この事態に興奮した野次馬の群集が
押し寄せ、現場は大混乱。

警察に取り押さえられたサンドロは
パトカーに押し込められて連行された
のでした。

こうして犯人逮捕で無難な結末に終わるかと
思われましたが、しかし警察署に到着した
パトカーの車内でサンドロはすでに
息を引き取っていました

死因は「窒息死」。

当然、犯人は警察官でした。

バスジャック事件の犯人を連行中に
今度は警官が殺人を犯すという
唖然とする事態。

これこそブラジル社会が抱える
根深い闇を象徴していますね。

その後について

テレビ中継もされていたこの事件。

当然、サンドロを殺害した警官たちは
逮捕され、裁判にかけられます。

しかし、判決はなんと「無罪」。

そして彼らはその後も警官として
働いていたのだそうです。

もう司法まで腐っていた
ということなんでしょうか。

その後、一連の事件は「バス174」という
タイトルでドキュメンタリー映画にも
なりました。

「174」はバスの路線名だそうです。

同映画は反響を呼び、数々の
映画賞も受賞しました。

皮肉なことですが、映画にするには
確かに格好の題材でしょうね。

強盗やバスジャックを企てたサンドロには
弁解の余地はありませんが、彼がそこに
至った原因はただ彼自身の問題だけなのか。

また、その彼を法の下に裁くことなく
命を奪った警官とそれを許した司法。

この一連の事件が起こった背景には
相当に根深いものがありますね。

いまだに改善されていない
というブラジルの治安。

同国が二度とサンドロのような事件が
起こらない国になってもらたいと
願わずにはいられません。

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